ビジャマリア情報13

2004.10.1

Villa Maria, Cordoba, Argentina

須郷 隆雄

 今回は趣向を変えてビジャマリアのお祭りについて報告します。

アルゼンチンはご承知のとおり、ヨーロッパ系の移民が多く、お祭りもその国柄を表し、南欧的です。とにかくお祭り好きで、この小さな町ビジャマリアにおいても毎週のように何等かのフェスティバルが行われています。フォルクローレ、ガウチョの祭り、学生のカーニバル、町をあげてのフェスティバルと枚挙に暇がありません。

今回は「ビジャマリアの日」のお祭りを紹介します。927日がビジャマリアの日です。ビジャマリアの日とは、言うなればビジャマリアの誕生日、創立記念日とでも言ったら好いでしょうか。町を挙げてのお祭りで、ビジャマリアはその日は休日です。学校も商店も企業も全て店を閉めてこの祭りに参加します。しかしビジャマリア以外は普通の日です。休みでも何でもありません。この辺が面白いところです。

ビジャマリアは今から137年前の927日にマヌエル・オカンポという人が創設したということです。当時は数個の家が集まる小さな集落であったようです。因みにビジャとは集落という意味です。そこでマリアとは如何して付いたかというと、創立者マヌエル・オカンポの娘の名前がマリアであったということです。これも如何にもヨーロッパ的命名法かなとも思います。アルゼンチンにはビジャの付く町が沢山あります。多分小さな集落が発展してきたのだと思います。この町はイギリス人が鉄道を引いてから急速に発展したようです。酪農地帯であり、穀倉地帯でもあります。食糧の供給基地として大きな発展を遂げたとのことです。ですから町は豊かで牧歌的で大らかで、とても好い町です。

        

    タラモチタ川での川遊び          タラモチタ川の夕日

 町にはタラモチタ川が流れていて、市民の憩いの場となっています。この川はコルドバ山脈を源とし、かつては渓谷を形作るほど深い川だったそうです。しかし今は川幅の広い浅瀬になっております。この川のおかげでアルゼンチンには珍しく生水が飲めます。タラモチタとは先住民アボリヘネスの言葉のようですが、意味は解りません。


        

    子供たちのパレード            我が校の生徒の行進

さてビジャマリアの日のお祭りですが、飛行クラブの5機の飛行機がアルゼンチン国旗セレステ(水色)の煙を吐いて上空を飛行するとパレードの始まりです。幼稚園の子供たちがそれぞれの出身国の衣装に着飾って行進です。続いて小学校、中学、高校、大学と学生の行進が続きます。さらに、サッカー、バスケット、ホッケー、自転車等のクラブが続きます。そして、警察、消防署、軍隊等公共機関が続きます。フォルクローレ、タンゴなどの舞踏衣装での行進、最後はガウチョです。数十頭の馬に女も子供も跨り、国旗やクラブ旗を翻し颯爽と行進です。馬車も同行です。延々と2時間、見応えがあります。感動的です。

        

     ガウチョの行進          学生の日(我が校のフェスティバル)

日本にも有名なお祭りが各地にありますが、普通の町でこれだけ盛大にしかも華やかに行われるお祭りを日本で経験したことがありません。誕生日を盛大に祝う国柄のせいなのか、ビジャマリアの得意現象なのか解りませんが、とにかくアルゼンチン文化を知る上でも貴重な一日でした。Gracias Villa Mariaです。

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