ビジャマリア情報17
2005.2.10
Villa Maria, Cordoba, Argentina
須郷 隆雄
今回はお祭り第2弾ペーニャについて報告する。
夏のバカンスシーズンになるとアルゼンチンでは、いたるところで色々なフェスティバルが催される。特にフォルクローレ関連が多いように思う。
フォルクローレではコルドバの西方100キロのところにコスキンという町がある。ここの大会が有名で、出場者の中からプロに転向して名声を馳せているグループが多々ある。日本からも毎年出場者があり、昨年と今年2年連続秋田大学のグループが参加した。
私も行ってみた。とにかく賑やか、喧しいといったほうが適当かもしれない。タラモチタ川沿いに野外劇場がある。しかし劇場外の川沿いでは私設のステージを作り、フォルクローレ、タンゴ、モダンとそれぞれに歌い踊り飲み賑やかにやっている。
私はVIP入り口から係員の案内でステージ前の席に着く。写真をとってもいいかと聞くが、なかなか意思が通じない。するとここはアルゼンチン、すぐに世話好きなおばさんが英語で通訳、写真をとってもいいとのことである。トラブルが起きると、必ずこのような世話好きおばさんが出てくるのが面白い。
席に座るとステージが高いこともあり、舞台前に置いてあるスピーカーが視界を遮る。早速このおばさん抗議、回りも呼応し抗議、ブーイング、係員もタジタジ、スピーカーが片付けられると一斉に拍手喝采、係員に感謝のキッス、キッス。こちらの人は決して我慢はしない。要求と感謝をうまく使い分けている。
ステージがだんだん佳境に入ってくる。立ち上がる、手を振る、スカーフを振る、プラカードに曲を書き要求する。ブラボーの声、ステージと観衆が一体となる。ステージに上り、一緒に踊り始める。老いも若きもだ。
明け方4時、最高の人気グループが登場、フェスティバルは最高潮、雰囲気は絶頂に達する。最早止めようがない。凄い熱気だ。8時半から始まったこの音楽祭も朝4時の絶頂期まで帰る者はない。しかし、終演と同時に今までの熱気は何処へ行ったのかと思うほど、波が引くように家路を急ぐ。年甲斐もなく舞い上がってしまった。疲れがどっと出た。お祭りや遊び、好きなことには凄いパワーだ。このパワーを仕事に向けていたら、この国は変わっていただろう。しかし、それをしないのがアルゼンチンだ。仕事は
Mas o Menos, Hasta mananaである。家路を急ぎながら、今までの情景を思い浮かべ、なぜか笑いが込み上げてきた。愉快な国民性だ。