ビジャマリア情報22

 

2005.5.5

Villa Maria, Cordoba, Argentina

須郷 隆雄

 

 サン・ファンを旅行した時に知り合った高校教師3人組の招待を受け、アルタ・グラシアを訪問する。

 アルタ・グラシアはコルドバの南西50キロのところにある、人口5万ほどの小さな町だ。カラムチタ丘陵の山懐にあるとても綺麗な古い町である。カラムチタから流れ出る清流が町の中央を流れ、湖があり、まるで公園が町になったような感じだ。

 午前中のスペイン語のレッスンを終え、何時ものターミナルとは違うマイクロバスだけが発着するターミナル駅に向かう。初めての駅だ。切符売り場がわからない。聞くと地下だという。このターミナル、1階は市場になっており、とても駅とは思えない。切符を買おうとすると、アルタ・グラシア行きは向こうの窓口だという。確かにアルタ・グラシアと書いてある。なぜか2枚来る。隣の人に聞くと1枚余分だという。慌てて1枚返す。私の発音が悪かったようだ。今度は乗り場がわからない。ともかく人が大勢いるところに並び、アルタ・グラシアに行くかと聞くとOK。よく見るとアルタ・グラシア行きと書いてある。まずは一安心。何時ものことながらトラブル続き。しかし何とかなるから不思議だ。
    
             

    町を流れる清流              1700年以来の教会

 バスが出て暫くすると携帯に電話。高校教師からだ。2時ごろ着くと告げる。疲れが目に来たようだ。しょぼしょぼする。昨夜は我が家で日本食パーティー。友人教師を招待すると、なんと1人の悪友が女友達を3人も連れて来る。心の準備が出来ていない。ちょっと焦った。しかし、天ぷらと炊き込みご飯は気に入ったようだ。次の日が土曜日ということもあり、ついつい朝方3時まで盛り上がってしまった。朝6時に起き、コルドバへ。3時間の睡眠だ。しかし眠気は襲ってこない。素晴らしい景色だ。遠くにカラムチタ丘陵が連なっている。回りは牧場や農場、牧歌的というべきか、田園風景というべきか、とにかく綺麗に整備されてとても気持ちがいい。町へ近づくにつれ、山も間近、ユウカリの木が目立って多くなる。ターミナルに着く。閑散としている。乗客は途中でほとんど降り、終点まで来たのは数名だけだった。

        


         チェ・ゲバラの生家         アルタ・グラシア高校

 出迎えを受け、ゴルフ場内のレストランへ。とても綺麗なゴルフ場だ。ビジャマリアのゴルフ場より大分良さそうだ。レストランも洒落ている。そこで日本談義をすること2時間。ほろ酔い加減で市内を案内してもらう。石造りの古い教会、1700年と書いてある。博物館と連なっている。向かいは湖、なにやら大勢の人が集会を開いている。広場は石畳で、いかにも歴史を感じさせる街づくりだ。山が近いせいか、水がとても綺麗だ。岩魚が棲んでいるかと思うほどだ。イギリス人が多く住んでいたと聞く。確かに北欧的な古い家が多い。南欧的な町並みとは少し違う。チェ・ゲバラが小学生時代を過した家に行く。今は博物館になっている。ゲバラは隣の州、サンタ・フェ州のロサリオで生まれた。ロサリオはかつてブエノス・アイレスに次ぐアルゼンチン第2の都市であった。今はコルドバにその地位を譲っている。幼少の頃喘息で、環境の良いこのアルタ・グラシアに移り住んだという。コルドバ大学で医学を修め、その後キューバに渡りカストロとともに革命家の道を歩んだ。今でもアルゼンチンの若者にとって、ゲバラは英雄であり、憧れの的である。沢山のティーシャツが売られている。この英語教師の父親もゲバラと一緒に取った写真を大事に持っているとのことであった。勤務地である高校を訪問する。格調の高い、歴史を感じさせる校舎だ。6時に学校前のバス停で別れを告げる。4時間の滞在であった。

 バスに乗ると途端に睡魔に襲われ、コルドバに着いたのも解らなかった。さらに2時間、満天の星を見ながらビジャマリアへの帰路に着いた。
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