ビジャマリア情報V

2004.1.29

Villa Maria, Cordoba, Argentina

須郷 隆雄

1月はアルゼンチン全体がヴァカンスの季節です。多くの人は半月から1ヶ月の休暇をとります。学校は3月まで休みです。私も休暇を利用して南アルゼンチンを旅行してきました。サンマルチン、バリローチェ、カラファテ、ウスアイア、いわゆるパタゴニア地方の17日間の旅です。

今回はその旅行記を報告します。

この南アルゼンチンのパタゴニアと言われる地域は、アンデス山脈を背にしてチリと接する地域です。従って、山あり湖あり氷河あり草原あり、南に行けば氷山ありペンギンにも会えるという一大観光地です。

パタゴニアとは、大きな足を意味しているようです。原住民のアボリニジ人(パタゴナスとも言う)の足が大きかったことから付いた名のようです。ゴルフのパターもそこから来ているようです。言われてみれば足のような格好をしてますね。

又、この地域は特にイギリス系が多く、北部のイタリア系とは異なりアングロサクソン系の彫りの深い色白な人種が多いように思います。聞くところによると100年前に多くのイギリス人が入ってきたということです。土地がやせている性もあり、羊の広大な牧場が有る程度です。そこで革製品や毛織物が有名になっています。フォークランド戦争で名高いマルビネス島はイギリス系しか住んでいないそうです。全体に英語が通用し、家の造りは北部とは違い石造りではなく木造です。又この地域は南に位置していることもあり、夏は9時頃まで明るい、一番南に位置するウスアイアは11時頃まで明るく、オーロラが見えます。

日本人のツアーも格好見かけました。

サンマルチンでは、アルゼンチンの富士山と言われているバルカンラニン山が印象的でした。形も円錐形で、高さも富士山と同じ3,776mで丁度地球の反対側にあり、現地の人はこの二つの山が地球のバランスを取っていると言っていました。又この地は、渓流が多いことからJICAの支援で鱒の養殖施設が作られていました。


        

      アルゼンチンの富士山            ルピナスの群生

バリローチェは、日本で言えば軽井沢といった感じの町です。カテドラル山は広大なスキー場を有し、三浦雄一郎や志賀高原をよく知っているというアメリカのプロスキーヤー3人組がマウンテンバイクで駆け下りていました。又、世界で唯一の百日紅の群生地、数千年前の氷河イエロネグロ(黒い氷)の地響きを立てて崩れる様は壮観でした。


        

        百日紅の群生              カテドラル山頂

カラファテはパタゴニアの中心部で、これぞパタゴニアという感じのところです。氷河が至る所に有り、その景観を十分に伝えられないのが残念です。氷河でのオンザロックは美味しかった。また、ソフィアローレンのような黒髪で浅黒く透き通るような目をした美人の一人旅には心を動かされました。また、リンコン羊牧場は10haも有る小さな町が入ってしまう程の広大な牧場で、マテ茶の野立て、飲み方を教わり、ガウチョの羊の毛刈り、ケーナの演奏を聞きながらの昼食と一時王侯貴族の雰囲気を味わったしだいです。

        

         氷 河                リンコン羊牧場

ウスアイアは最果ての町、流刑場の町、日本で言えば網走というところです。留置場は今は博物館となり、当時の遺品や情景が展示されています。網走刑務所も紹介されていました。ヴィーグル海峡を遊覧し、ペンギンやアザラシにお目にかかりました。残念ながら強風のため流氷を見ることは出来ませんでした。このヴィーグル海峡は、ダーウィンのヴィーグル号航海記にちなんで付けられたものです。まさにここは太平洋と大西洋の中継地、国境チリの向こうは南極という最果て感を漂わせた哀愁の町です。おもわず網走番外地と津軽海峡冬景色を口ずさんでしまいました。オーロラは天候不順で見ることが出来ませんでした。次の機会にとっておきます。

        

     ヴィーグル海峡のペンギン             フエゴ島

以上が南アルゼンチンの旅の報告です。
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