ラス・リラス便り
第 2 号
平成17年2月10日
アルゼンチン国コルドバ州ビジャマリア市
須郷 隆雄
ラス・リラスに強敵現れる。
工事中であった向かいの店が、新装オープン。喫茶店として対抗してきた。
店は大きく、豪華、名前もカフェ・アルヘンティーナと大時代的。強敵カフェ・アルヘンティーナ カフェ入口に寝ている犬
ラス・リラスに久しぶりに足を運ぶ。昨夜は雷雨(トルメンタ)で少々寝不足気味。
道路は昨夜の雨で綺麗に洗い流されている。中央公園の噴水が勢いよく吹き上げている。
緑が生き返ったように鮮やかに日差しを浴びて輝いていた。
店内はお客でほぼ満席だ。ミニスカートの店員がテーブルを片付けて歩く。
夏のためか、日焼けし浅黒い。足首に小さな刺青。こちらの女性は、女性と限らず男性もそうだが、よく刺青をしている。概して小さく、おしゃれ感覚のようだ。
よく見かけるのは腕、足首、首に近い背中、腰それにへその下辺りが多い。
よく肌を出すあたりが多いようだ。
日本のやくざとは全く違う感覚だ。時々怪しげな漢字が書かれていることもある。
なぜか店内にROCIOとSTATUSの洋服がショウケースに飾ってある。売るためとは思えない。何なんだろう。理解に苦しむ。装飾としての効果はありそうだ。
テレビが4台置かれている。4台ともテレビHの歌番組がかかっている。
見ているものは誰もいない。皆話しに夢中だ。
一人ものはコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。テレビHは歌だけを放送している。
アルゼンチンにはチャンネルが600くらいまであり、100以上のチャンネルで放送されている。
ニュースだけ、スポーツだけ、歌、映画、調理、ファッション、アニメ、さらにレトロからモダンまでと専門のチャンネルが無数にある。選局が大変だ。
いつものように犬がやってきた。頭を撫でてやると、空ろな目をして、尻尾をパタパタ振る。撫でるのを止めると私の足に足を乗せ、もっと撫でろと要求する。
私の椅子の下で暫く寝ている。帰る客がドアを開けると一緒に通りに出て行く。
一人ものの私にとって、犬は大切なアミーゴだ。
すずめが降りてくる。2〜3歩歩き、またいずこへ飛んでいった。
乳母車に赤ちゃんを乗せて、若夫婦が入ってくる。赤ちゃんが私の顔をじっと見ている。
べろべろをするとキャッキャと笑う。子供は何処の国でも可愛いい。しかし、アルゼンチンはことのほか可愛いように思う。
父親がジュースを飲ませたりパンを食べさせたり面倒をみている。
母親は通りを見ている。子供がむずかる。父親が抱っこする。母親は通りを見ている。
時折愛想を振りまく。アルゼンチンの一般的光景だ。
午後1時ごろには、お客はほとんどいなくなる。多分昼食とシエスタ(昼寝)のためであろう。
La cuenta, por favor.
Si senor, 2 pesos.
前より25センターボ高くなっている。ちなみに10円ほど。強敵が現れたにも拘らず値上げとは、強気だな〜。
強敵の喫茶店の入り口に犬が2匹になる。相変わらず寝ている。寝ることしか知らないのかな。毎日がシエスタのようだ。
夕方5時ごろグランドにジョギングに行こうとするとその喫茶店の入り口に犬が3匹になっている。別の入り口にも1匹、皆寝ている。なんという国なんだこの国は。しかし、愉快な国だ。