ラス・リラス便り
第 4 号
平成17年5月1日
アルゼンチン国コルドバ州ビジャマリア市
須郷 隆雄
今日は打って変わって寒い日だ。
昨日は30度近くまでなり、秋とは思えないほどの暑さ、町はほとんどが半袖姿であった。夜半から雷雨。朝は小雨混じりの南風。気温は一気に下がり、10度を下回る。夏から真冬の到来だ。
寒さのせいもあり、ラス・リラスへは12時近くになる。さすがに通りにはテーブルは出ていない。今時分、普通なら満席であるが今日は半分程度、空席が目立つ。何時ものコルタードを注文する。今日は何時もの場所に新聞がない。
向いの席に、なにやら恋人らしき2人連れが手を握り、目を見つめあい、顔が接するほど近づけて話している。
隣のテーブルの老人が席を立つ。残された新聞を拝借、エル・ディアリオ、コルドバの新聞だ。市役所の専用車にトヨタ・カローラが選ばれたと書いてある。ちなみに1台48,603ペソ、日本円にして200万ほどだ。決して安くない。日本車では、唯一トヨタが現地生産を行っている。ビジャマリアには代理店もある。綺麗な車だなと思われるのは、大体日本車かドイツ車、米国車だ。欧州車は殆どがぼろ車。しかしこの国の人は、本当に車好き。ばらばらになりそうな車を大事に、大事に乗っている。自国の自動車メーカーはない。
先ほどの恋人らしき2人連れ、次第に接近度が増してくる。手から腕へ、互いに手を顔に当てたりもする。女の左手薬指に金の指輪、新婚かな、まさか不倫では。なぜか左手人差指に血豆がある。一般に既婚者は金の、未婚者、非婚者、離婚者は銀の指輪だ。
フォルクローレ 市内を流れるクタラムチタ川
先程の2人連れ、男が勘定をしようとすると女が制し、その指輪の女性が支払う。どうも怪しい。男は指輪をしていない。互いに腕を腰に回し、我がマンションの方に帰っていった。
1歳半ぐらいの女の子が、ドアを開けようとしている。4歳ぐらいの姉が連れ戻す。また開けようとする、連れ戻す。この繰り返しだ。よほどドアが気に入ったようだ。二人とも母親に似てとても可愛い。